1969年の佐賀競馬

荒尾競馬での事件と並行して、ほぼ同時代に佐賀競馬場でデビューした橋口弘次郎騎手についても簡単にではあるが調査した際の副産物。

調査当時のWikipediaの情報(画像)によると、1969年に地方競馬騎乗騎手免許を取得、1970年に引退とあり、まずは年度替わりである1969年4月を調査するも名前は見当たらず。
次に可能性は薄いながらも1969年1月を調査し同様の結果となり、1970年1月も名前はなかった。
このことから1969年の騎手免許取得は誤りであることが濃厚と判断。
後に調査する1970年4月から橋口騎手の名前が確認できたこと、そしてそれと同時に1970年4月デビューの騎手の名前が確認できたことから、1970年3月に免許を取得が正しいであろうというのが個人的な認識である。
もちろん1969年中に免許は保持しながらも一切騎乗せず、1970年4月より騎乗を始めたという可能性を払拭するには根拠として必要十分ではなく、1年に渡っての確認をしていないので、ちょうど怪我で騎乗をしていない時期を調査したという可能性もある。

その橋口騎手については、今後公開する予定の1970年の佐賀競馬にて紹介する予定。

確認できている出場騎手

前年の調査時に名前がなかった騎手は古賀光範、高木清、徳吉光雄、広川哲男、的場信弘、与田の6名。
その内の徳吉光雄は前年に荒尾での騎乗があり、また昭和39年度から騎乗していることが判っているので、これは前年分の調査時に何らかの理由で佐賀で騎乗していなかった時期に当たってしまったようだ。
その理由となるかは不明であるが、手元のある佐賀競馬での表彰歴の資料を見ると、昭和38年度と昭和42年度に表彰の対象となっており、特に昭和42年度は「調教専業騎手」としての表彰。
この当時の佐賀競馬で認められていた免許制度が不明だが、他の地方競馬では調騎兼業免許がまだ認められていた時代。
調教騎手として活動することを主軸としつつ、騎乗騎手としても活動していたのではないだろうか。
（ただし生年月日から昭和39年度デビューとなると40歳時のデビューとなり、情報源として正確な情報と断定はしにくい。）

与田騎手は情報が不足しており詳細不明。
1969年11月2日の第7競走E級1300mでヤマサヒカルに騎乗している。

出走馬

リンクがある競走馬のうち太字は、前年に九州地区での出走歴が確認できている競走馬を示す。

キリンヤングの繁殖名はヤングスター。
テツチドリについては後述。
チヨノヒメの繁殖名はワイエムセブン。
ホマレフジオーは中央から移籍後の1969年は13回出走し1着6回2着5回3着2回のオール3連対も獲得賞金は88.9万円。
ミスタイヘイの産駒トツプライジンは最晩年に福山のオープン級で活躍。

花吹雪賞

1969年1月11日　花吹雪賞　旧5・6歳1620m

1着　テツチドリ　タイム1.46.5
2着　メイピツト
3着　ホクシンタロウ
連単　4→1　1810円

予想印は◎テツチドリ、○カチガラス、△ホクシンタロウ、×メイピツトと重ハンデ4頭に集まった。

テツチドリはJBIS上では中央名かつ繁殖名であるセントメロリーとして登録。
花吹雪賞の競走上の記録もセントメロリーとなっているが、少なくともこの競走時にはテツチドリとして出走している。
タカライオーとリバーサイダーは後にD級戦に出走しており、同負担重量であることからの推測であるが、出走条件が旧5･6歳ということで、本来の格付によって加算重量がある様子。
その前提から、アングロアラブでありながらトップハンデの1頭だったカチガラスは、当時品種別競走を実施していなかった九州地区において、なかなかの実力馬だったのかもしれない。

なお、確認ができる範囲ではあるが、この競走の数か月前の前年秋時点で、メイピツトはE級優勝競走、カチガラスはD級優勝競走、ヤマニンクインはD級競走でそれぞれ本命級の予想印となっている。
また荒尾のA級競走にテツチドリが出走しているが、佐賀でもA級かは不明。
当時の出走表を見る限り、A・B・C・D級競走がほとんどなく、大半がE級競走という状況。
今の格付に相当すると、現A級が当時のA・B級、現B級が当時のC・D級、現C級が当時のE級にあたるのではないか。

メイピツトの昭和44年度成績

当時のA級競走

1969年11月2日　天山賞（県会議長賞）A級2300m

花吹雪賞3着のホクシンタロウがA級競走に出走。
負担重量に差があるA級競走なのでおそらく最上級のA級競走と思われる。
トップハンデのアトランタは前年の同時期の同競走にも出走しているが、その時よりも4kg負担重量が大きくなっている。
ザ・プリンスは前年に荒尾のA級競走に出走しているほか、格付不明も佐賀のメイン競走で優勝していることが判っている。

アトランタの昭和44年度成績

着外でも必ず賞金が計上されている理由は着外手当だろうか。

ザ・プリンスの昭和44年度成績

ホクシンタロウの昭和44年度成績

確認した当時の施行距離

一度だけ確認できた1120mは1620mの誤植ではないか。

発売成績

1月19日　売上49,298,100円
11月1日　売上35,646,700円