昭和30年代の金沢競馬に出場していた福山競馬に縁のある人馬

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昭和30年代の金沢競馬に福山の人馬が出場していることを、福山競馬についての調査を進める中で知った。
調査の術がなくほとんど進展がない状態が長く続いていたが、昭和35年と37年については調べることが可能と判り、すぐに調査に取り掛かった。

金沢競馬に出場していた福山に縁のある騎手

調査は昭和35年と37年が対象、まだ「どこの競馬場に所属」という定義は確立していないようで、騎手の居住地(本籍地?)による区分がなされていた様子。
調査文献中の昭和35年の騎手に関する事項には、
「騎乗者数については総数42名中、石川県15名を第1位とし、次いで和歌山県5名、新潟県4名、福井県3名、大阪、京都、徳島県各2名、その他高知、埼玉、岡山、島根、栃木、富山の各1名とし、何れも数頭の自馬または縁故馬を管理騎乗し、生計を営んでいる者が大部分である」
との記載がある。
総数と内訳の合計が合わないのは、北海道2名、広島1名の計3名分が記述されていないことによる。
ここでは全出場騎手の中から、福山で出場歴のあることが判っている騎手のみを紹介する。

昭和35年

東森実(岡山)
第1回開催から第7回開催、42日中38日出場し、92戦20勝(勝ち数14位)、獲得賞金は53,700円

寺田忠(広島)
第1回開催から第6回開催、36日中30日出場し、46戦6勝(勝ち数29位)、獲得賞金は25,200円

岡部輝雄(高知)
3開催18日中15日出場、19戦2勝(勝ち数35位)、獲得賞金は11,300円

昭和37年

福島寿(広島)
全開催(16回)、96日中76日出場し、131戦43勝(勝ち数9位)、獲得賞金は131,000円

寺田忠(広島)
5開催、30日中21日出場し。32戦8勝(勝ち数24位)、獲得賞金は22,300円

石本忠見(広島)
10開催、60日中46日出場し、57戦5勝(勝ち数29位)、獲得賞金は40,100円

宮崎康二(岡山)
7開催、42日中19日出場し、23戦4勝(勝ち数32位)、獲得賞金は18,400円

金沢競馬に出場していた福山に縁のある競走馬

昭和35年の競走馬に関する事項には、
「本年度における競走馬の出走状況については、1開催における出走頭数は最高243頭、最低196頭、平均221頭であり、その都道府県別は19都道府県の広範囲に亘り、石川県122頭、富山県28頭、和歌山県13頭、福井県12頭、徳島県7頭、京都府6頭、大阪府5頭を主とし、特に北関東及び関西所属馬の進出が顕著である。関係競馬場としては紀三井寺、大阪、園田、札幌、福山、佐賀、南関東、北関東競馬場の所属馬であり、全体の9割を占めている。」
とある。
他の競馬場の同様のデータがなく比較ができないが、これほど多岐に渡って各地から出場している例は、他にはそれほどないのではなかろうか。

以下より昭和35年(1960年)及び37年(1962年)に福山競馬場で出走歴のある競走馬をピックアップする。
これについては、既に記事となっている2年分から同じ馬名があるものを、昭和35年と昭和37年それぞれで抽出し、金沢競馬での各年の成績と獲得賞金を付したものである。
なお、福山競馬での成績は1着及び2着馬の馬名しか記載がないため、他にも出走歴があるにもかかわらず漏れているケースや、同名の別馬を誤って挙げている可能性がある。

1960年の福山競馬
ホマレイチが福山の夏季休催中に金沢競馬で重賞を制していたことがきっかけで、ではその前後の福山での成績はどうだったかを知りたく調査。 現時点では、1960年の4月から9月までが調査できている範囲となっている。1960年全ての成績...
1961年の福山競馬
1960年の福山競馬をある程度調べたこともあり、翌1961年も少しの期間ではあるが調査を行った。 なお、この年のいくつかのレースについては翌年に八百長を企て実行したとして複数名が逮捕されている。 その件については調査途上ではあるが、詳細...

昭和35年

アサタロウ

7戦1勝 獲得賞金は211,000円
5月5日 菊桜賞 1800m 4着
5月23日 輪島市長賞 1600m 5着
6月6日 東芝賞 1800m 1着
6月19日 百万石賞 1800m 4着
7月24日 黒百合賞 1800m 6着
8月22日 石川県知事賞 1800m 4着
10月8日 全国公営競馬主催者協議会長賞 1800m 2着

アヅマダイコク

1戦0勝 獲得賞金は2,000円

イケヅキ

15戦4勝 獲得賞金は185,000円

イチハタオー

1戦0勝 獲得賞金は8,000円

イチヨシノ

6戦2勝 獲得賞金は128,000円
5月31日 開催委員長賞 1600m 8着
6月14日 全国公営競馬主催者協議会長賞 1600m 7着
8月1日 開催委員長賞 1600m 1着
8月15日 開催委員長賞 1600m 3着
(残り2戦分は不明)

エバーグリン

27戦5勝 獲得賞金は110,500円

エーコー

28戦1勝 獲得賞金は116,500円

カツリユウ

5戦0勝 獲得賞金は7,500円

カーレントクイン

8戦1勝 獲得賞金は103,000円
5月31日 開催委員長賞 1600m 7着
6月14日 全国公営競馬主催者協議会長賞 1600m 6着
8月7日 輪島市議会議長賞 1600m 2着
8月21日 石川県議会議長賞 1600m 2着
(残り4戦分は不明)

キクスイ

21戦2勝 獲得賞金は104,900円

キントキタロウ

7戦0勝 獲得賞金は29,600円

クインチエリー

2戦1勝 獲得賞金は16,000円

クラフト

13戦0勝 獲得賞金は34,400円

ゴールドライト

25戦4勝 獲得賞金は159,000円

タカノフジ

4戦0勝 獲得賞金は86,000円
5月16日 輪島市外四カ町村競馬組合長賞 1600m 2着
5月31日 開催委員長賞 1600m 4着
6月14日 全国公営競馬主催者協議会長賞 1600m 2着
7月17日 開催委員長賞 1600m 6着

タマノハナ

16戦2勝 獲得賞金は115,500円

トキワヒメ

3戦0勝 獲得賞金は31,000円

トシユキ

10戦2勝 獲得賞金は69,000円

トミニシキ

26戦6勝 獲得賞金は226,500円

トルースカツプ

福山の秋の開催が始まるまで金沢で出走し7戦3勝 獲得賞金は332,000円
5月4日 輪島市外四カ市村競馬組合長賞 1600m 1着
5月21日 輪島市議会議長賞 1600m 1着
6月6日 東芝賞 1800m 3着
6月18日 石川県知事賞 1800m 7着
7月25日 輪島市長賞 1800m 1着
8月7日 農林大臣賞典 1800m 2着
8月21日 日立賞 1800m 5着

ノリコシ

12戦0勝 獲得賞金は114,000円

ハツエベス

14戦2勝 獲得賞金は69,000円

ハツザクラ

27戦4勝 獲得賞金は132,000円

ハヤナミ

15戦3勝 獲得賞金は97,000円

フクトク

18戦3勝 獲得賞金は72,000円

フジライト

6戦1勝 獲得賞金は162,000円
5月15日 開催委員長賞 1600m 3着
5月30日 開催委員長賞 1600m 5着
6月12日 石川県旅客自動車協会長賞 1600m 1着
7月25日 輪島市長賞 1600m 5着
8月6日 金沢競馬土地株式会社社長賞 1600m 3着
8月20日 アサヒビール賞 1600m 3着

ホマレイチ

福山の秋の開催が始まる前まで金沢で出走し7戦4勝 獲得賞金の620,000円は当年度最高額
5月5日 菊桜賞 1800m 1着
5月22日 皐月賞 1800m 1着
6月5日 農林大臣賞典 1800m 1着(レコード)
6月19日 百万石賞 1800m 2着
7月24日 黒百合賞 1800m 3着
8月7日 農林大臣賞典 1800m 1着
8月21日 日立賞 1800m 2着

ミスホウシユウ

9戦2勝 獲得賞金は48,500円

ミナトホープ

9戦2勝 獲得賞金は89,000円

ヤマトホマレ

10戦1勝 獲得賞金は66,000円

ヨシトミ

25戦3勝 獲得賞金は109,000円

ライトキング

7戦3勝 獲得賞金は72,000円

昭和37年

アカツキ

13戦7勝 獲得賞金は288,000円
※昭和37年時は旧3歳馬であり、福山では昭和35年に同名馬の出走のため、馬名が同一の別馬

ウエスタンキング

2戦0勝 獲得賞金は70,000円
5月20日 輪島市長賞 1800m 3着
9月10日 開催委員長賞 1600m 4着

カイシユウ

4戦0勝 獲得賞金は106,000円
5月5日 輪島市議会議長賞 1600m 5着
5月14日 輪島市外四カ町村競馬組合長賞 1600m 3着
5月28日 輪島市外四カ町村競馬組合長賞 1600m 6着
6月11日 金沢競馬土地株式会社賞 1600m 3着

グリンソクサー

22戦8勝 獲得賞金は606,000円
4月28日 開催委員長賞 1600m 5着
5月21日 B-2優勝 1250m 2着
8月9日 B-1優勝 1600m 3着
9月30日 B-1優勝 1600m 2着
10月14日 B-1優勝 1600m 1着
10月20日 開催委員長賞 1600m 1着
11月4日 開催委員長賞 1600m 2着
11月19日 石川県議会議長賞 1600m 1着

他14戦はB級戦に出走
また、ハルナサンが優勝した翌63年1月の福山で行われた地方競馬全国協会会長賞で3着となっている。

サクラクイン

10戦2勝 獲得賞金は91,300円

サツキホマレ

8戦2勝 獲得賞金は314,000円
4月30日 輪島市外四カ町村競馬組合長賞 1600m 6着
5月26日 開催委員長賞 1600m 1着
6月24日 輪島市議会議長賞 1600m 1着
7月9日 北陸地方公営競馬主催者協議会長賞 1600m 3着
7月23日 輪島市外四カ町村競馬組合長賞 1600m 3着
8月6日 輪島市外四カ町村競馬組合長賞 1600m 7着
8月28日 石川県知事賞 1600m 6着
9月9日 開催委員長賞 1600m 5着

ダイカンセイ

11戦3勝 獲得賞金は810,000円
5月21日 皐月賞 1800m 5着
6月3日 全国公営競馬主催者協議会長賞 1800m 2着
6月16日 石川県知事賞 1800m 3着
7月2日 石川県知事賞 1600m 1着
7月15日 アサヒビール賞 1800m 2着
8月19日 MRO金賞 1800m 6着
9月3日 金沢商工会議所会頭賞 1800m 1着
9月16日 大和百貨店賞 1800m 2着
9月30日 福正宗賞 1800m 1着
10月28日 三菱電機賞 1800m 3着
11月11日 菊花賞 1800m 4着

タイセイウイナー

10戦3勝 獲得賞金は588,000円
5月7日 菊桜賞 1800m 4着
5月21日 皐月賞 1800m 3着
6月4日 農林大臣賞典 1800m 6着
6月16日 石川県知事賞 1800m 2着
7月16日 石川県知事賞 1800m 5着
9月24日 開催委員長賞 1600m 5着
10月8日 石川県議会議長賞 1600m 1着
10月27日 石川県知事賞 1600m 1着
11月12日 金沢競馬土地株式会社賞 1800m 1着
11月25日 地方競馬全国協会長賞 1800m 3着

タカノオー

24戦4勝 獲得賞金は320,000円

ハクリユウ

21戦3勝 獲得賞金は251,500円

ハルナサン

10戦2勝 獲得賞金は545,000円
5月7日 菊桜賞 1800m 1着
5月21日 皐月賞 1800m 4着
6月4日 農林大臣賞典 1800m 4着
6月17日 百万石賞 1800m 1着
7月1日 東芝賞 1800m 3着
7月15日 アサヒビール賞 1800m 6着
7月29日 黒百合賞 1800m 4着
8月19日 MRO金賞 1800m 5着
9月2日 農林大臣賞典 1800m 6着
9月16日 大和百貨店賞 1800m 5着

この後は福山に移籍し、年明け1963年1月の地方競馬全国協会会長賞を優勝

フクスケ

4戦0勝 獲得賞金は120,000円
5月7日 菊桜賞 1800m 5着
6月17日 百万石賞 1800m 4着
7月1日 東芝賞 1800m 3着
7月15日 アサヒビール賞 1800m 5着

ホマレイチ

2戦0勝 獲得賞金は45,000円
7月15日 アサヒビール賞 1800m 7着
7月29日 黒百合賞 1800m 5着

ユニコーン

8戦0勝 獲得賞金は49,000円

レツクス

13戦1勝 獲得賞金は238,000円

ワカバ

15戦1勝 獲得賞金は101,000円

福山に縁のある馬主

成績表を見ていると、福山で馴染みのある所有者名をいくつか見つけた。
漏れや知識不足で全てを拾い上げていないとは思うが、所有者名と馬名を挙げていく。

大宮孝夫

タカノオー
ハルナサン

楠見政徳

タイセイライト
ホマレイチ

久保川政美

タジマオー

谷尾幾之進

サクラクイン

寺田美喜恵

キヨクジツ
ユニコーン
レツクス

福島銀三

カイソク
グリンソクサー
タイセイウイナー
フクスケ

福永守

タイセイライト

タイセイライトについては、途中から所有者名が福永守→楠見政徳に変更された。
各馬主の所有馬への騎乗は概ね下記のようになっている。

大宮孝夫・・・時々福島寿
楠見政徳・・・福島寿
久保川政美・・・福山関係騎手以外
谷尾幾之進・・・宮崎康二
寺田美喜恵・・・寺田忠
福島銀三・・・福島寿、2頭同一レース出走時のみ宮崎康二

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